遠くへ行く君に 何から話そう 沸き立つ雲の影 駅へと迫り 土砂降りの雨に 街は遮られ もう戻れない日々を ふと感じた 例えばここは 川の始まり 僕らを分かつ 小さな分水嶺 ときどきでいい 教えてほしい 海へ着くまで 辿る景色を からまるイヤフォン ちっとも解けずに 漏れ聴こえる歌は 切なく響く バスの窓に凭れ 浅い夢のなか 僕のピアノで 君の歌が聴こえた 加速しながら 時は進むけど 人の歩みは 遅くなるばかり 転がりながら 砕かれながら 輝く砂になる その日まで ねぇ大丈夫さ 僕らの街は今も 同じ匂いがしてる 今日もこの街を 誰かが出て行くよ 旅人の背を 押すのは分水嶺 いつか必ず 聞かせてほしい 積もり積もった 君の話を