ヤマブキ 手紙を書く手を 止めてはあの日に思いを馳せる 並んで歩いた道と笑って見上げた 空を 約束が溶け 落ちたその場所にひとりだけ取り 残されて いつだっていつだって すれ違う僕ら 何度も繰り返して上手くいかないね そうやってそうやって積み重なる 日が 大事なんだってこと気付かないまま 離れてしまった心がふたつあった 丘の上で描いた絵は君のほうが 上手だったよね 僕には描けない色で鮮やかに浮かぶ 景色 古い公園 錆びたベンチに腰掛けて話した 頭の中でぐるぐる回る 君の最後の言葉が宙を舞う いつだっていつだって忘れられない もうなんかおかしくなってしまいそ う いつだっていつだってすれ 違っていたね 何度も繰り返してそれすら愛しい そうやってそうやって積み 重なるのは 残酷な後悔と宛名の無い手紙 最後の一枚に描いた 黄色い花が揺れている