運動会なんて 消えてしまえと思っていた かけっこはダントツ、ビリ トラックのゴ-ルが笑う 楽しそうに練習するみんなが 羨ましかった ゼッケンの僕の名前は 今にも泣き出しそうで 僕の作戦は完璧に 準備が進められていた おなかが痛いときの顔 鏡の前で役者だった 体温計にあてるカイロ 引き出しの奥で待機 逆さまの照る照る坊主 こっそり3つ吊るした そして運動会当日 朝起きてカ-テンを開けて ただ ただ 息をのんだ 僕の体に 青が突き抜け 足の先まで 青に染まって どうしてなのか 涙がつたう やっぱり走ろう こぶし握った 僕の背中 押してくれた あの日の青空 あれから月日は流れ ちょっと大人になったけれど 時々、もう逃げ出したい もうやめたいって弱くなる 鉛のような運動靴は 履かなくていいけれど 逆さまの照る照る坊主 吊るしても助けはこない そんなとき 紅白帽子の 小さな僕が僕にさけぶ ほら ほら 思い出して うなるピストル 歓声のフィールド みんなの背中 遠く離れて 息切れ悔しく 抜かれ恥ずかしく 両目には汗と かすむゴールと ごまかして上向けば にじんだ青空 結局ビリだった あの運動会 さされた指も 最高記録 でも平気だった なぜか満ちてた つかんだ何か 青は知ってる 僕の体に 青が突き抜け 足の先まで 青に染まって どうしてなのか 涙がつたう やっぱり走ろう こぶし握った 僕の背中 押してくれる あの日の青空 顔をあげればいつも あの日の あの日の青空