暗い道も半ばを過ぎた頃 淡い春はバックミラーが吸い込んで 長い旅も終わりを告げる頃 青い町はまだ雪解けを待つ 冷たい風 突き刺して 窓に映る僕は たとえばあなたが ひとつまた一つ忘れても 見慣れた町並みが移ろっても 何度も 何度も そっとすり抜けた 冬の匂いは変わらないまま 僕を包んで消えた 繋いで 紡いで ほら、青色の町へ 眠った城壁 春を待つ桜 寂びた標識 淋しそうな校庭 風のない歩道橋 見下ろす狭い川 はぐれた冬鳥 僕はここだよ 色付いて たとえばあなたが ひとつまた一つ忘れても 知らずまた知らず流れても それでも それでも そっとすり抜けた 冬の匂いは変わらないから 僕はここで歌うんだ 繋いで 紡いで ほら、青色の町へ 帰ろう