声に出すときっと 揺らいでしまうから できるだけ誤差のないように さらけだす術はないかな。 ニュートラルな状態で 向き合わなくちゃいけないんだぞ。 まるで茶でも買いに行くように 気負わないように。 「どうやらちょっと冷えるから。 風邪などは引かないように」と 余計な世話だと知りつつも 気にかかってしまうんだな。 朝食を済ませてさ 出かけようとしたけど どうにも足が向かないのは 君のせいだろう。 君のいない世界へ 歩き出そうとしている。 仮にも君にもらった靴を履いて。 「ザマねぇな」って誰か 僕を笑い飛ばしてよ。 オレンジ色のマフラーが声を奪う。 最近じゃ少しずつ穏やかな時が過ぎ だんだん雪になって 痛みも思いも。 なかったことには できやしないだろう。 風が少しずつ形変えても 変わらずそこにあるのと 同じように。 君のいない世界は 動き出そうとしている。 僕はそのスピードに 振り払われまいとして。 「ザマねぇな」って誰か 僕を笑い飛ばしてよ。 オレンジ色のマフラーがほら 声を奪う。 さよなら バイバイ さよなら