藍色に攫われた声が 波の音に混ざって 息を飲む 風廻る心が見惚れていたら その純情で眼が霞む 不可思議を渡る夜明け前 乾いた空が映す 町は皆 その哀しみに見合う程の 生命に憧れ でも虚しくて 昔、十字架に架けられた 海の悪魔に心臓を奪られ 忘れたつもりだった詩の名を 寧ろ、より深く胸に滲んでしまった 素直に生きる為に かつての英雄達は 変わる景色の隅で 泣き止む事も、辞めた 渚で燥ぐ少女 裸足を濡らしながら 水平線へ向かう 通りすがり 月に微笑む 今迄こんな詩 歌って 在るが儘を着飾ってきた 吐く息に染みる藍が物語る 言葉より早く伝う 「また同じその笑顔で 君に会えること 楽しみにしてる」 その手紙はきっと、 足手纏いになるよ 移り変わる季節には これ以上は食べられないと 残された朝食を分けられて 頬張りながら、 「冬が来たら何をしようか」 なんて悩むのさ 静かな町に広がる陽を 野暮に思うけど 向かい合わせた 何となくで拓いた哀しみが 何気無い日々の 糧になるより いいや ただ、まだ悪魔は心を返さない 淡い光 波に混ざっていく 溜息を飲み干して、渚で待ってる 眩しい風が詩を唄ってる 嫌い合うんだ僕達は 嫌いな自分を責めながら 光を浴びて躍る海の 輝きを何度も思い出して また嫌い合うんだ僕達は 風廻る声にもがく今日が 何となくで楽しくなると 吐く息も枯れる様な青空に これからこんな詩を歌って 在るが儘を着飾っていくさ 薄情に染みる藍が物語る 手紙は海へと捨てた 「また同じその笑顔で 君に会えること 楽しみにしてる」 その言葉をそっと 陽に透かしたら 最期 移り変わる季節には 生まれ変わるんだ僕ら、今 嫌いな自分を抱きながら