「オリオンの腕」 あの星のように光れたら 微かにでも 確かに在って 輝きで君を照らせたら もうそれで構わないの ねぇ 今はすぐに過去となり 届かなくなっちゃうけど 触れられないほうが 綺麗であなたに忘れられないかな 細い指で星をなぞる 君の後ろで立ち尽くす僕 震える肩に気付いていた 気付いていたのに オリオンの腕に抱かれて僕たちは 心を鳴らす 何億光年でもなく 今この瞬間を描いている 君無しで君の温もりが僕の手を 温めるんだ そうさ この寂しさこそ 君と今を生きる証だろう 星座に腰掛け見下ろした ふたりぼっちの小さな命 銀河の瞬きみたいに 誰にも気づかれないね 分かち合った記憶たちが 背中で笑って明日へ呼ぶ 止まった時を進めなきゃ 自分で選んだんだろう オリオンの腕に抱かれて 僕たちの心は歌う 天文学的ではなく ひとつひとつ 積み重ねる 君無しで君の温もりがこの足を 歩かせるんだ そうさ この勇気こそが 君が今も生きる証だろう どれほどの祈りも痛みも 忘れることなんてない たなびく彗星も尻尾だけ残して 消えていった 振り返らずにいてくれた ありがとうは言わなかった 今でも憶えているのかな 僕を照らすその場所で オリオンの腕に抱かれて僕たちは 心を鳴らす 何億光年でもなく 1mm先の未来がほしい いつか星になるその時は あの場所を目印にしよう そうさ 溢れる涙こそ 君と僕が生きる 僕が今を生きる理由だろう