散らばった部屋の一つ一つが 君のカバンに片付けられてく 嫌に静まったワンルーム どう声をかければよかったの いつものごめんねはもう通じない 二人で買ったマグカップは 色褪せてた 声にならないかすかな音で 君は言う「今までありがとう」 黒に染まりはじめてた二人 今日で最後の白が埋まった さよなら 渡しそこねたままのはじめての指輪 いつもそうだ何かにつけて 僕は遅いよな 君がいないと近所のアイス屋も 行くこともないよな 街に映る全てが君と 重なって辛くなって カーテンを閉めた 部屋の灯りも隣の物音も 何もかもがいつも通りだな ベランダにすぐ溜まった吸い殻 あぁいつも君が 捨ててくれてたんだな 何度でも君の置き忘れた荷物を 探してみるけど あるはずもないよな 元に戻せるきっかけさえも 失ったな さよなら 渡しそこねたままのはじめての指輪 いつもそうだ何かにつけて 僕は遅いよな ねえお願い戻ってよ戻ってよ 時間も君も何もかも全て 枕に向けて君の名をこぼした 夜は明けていく 君の匂いだけを残して