このまま何処へ 向かおうとしていたのだろう 長過ぎる夢のせいで呆けた 頭を今に移し変えて 霜を砕く音 立てながら 錆びた線路に人影 虚ろな目で まだ遠い春の陽を待って 暇潰しにも飽きて 眠気をも透いて 疎く 明日に繋ごうとした 今日を終える時には 深い記憶の底を突いて やがて沈むもの 呆ける光の中で 何が出来るとか 次第に渇いた空気に 馴染みを感じながら 重い荷物をなるべく軽くしたり 汚れた靴にも構わずに 線の上でバランスを取って 落ちる陽にだけ 焦ったりして 出来る限り喧騒を凌いで 遠回りばかり選んだ 汽笛が裂いた日々との 距離を測るように 思い付く言葉が幾重にも重なる 欠伸となって 浮かぶ夢を眺めた後 汚れた靴を見降ろして ふと思い返す "このまま何処へ 向かおうとしていたのだろう" 面影を失くして彷徨う光 霞む景色に溶けて その瞬間を歩いて 辿り着く世界は 今、描くこの旅の狭間 明日に繋ごうとした 今日を終える時には 何もない一日を振り返らずに 眠りの中