微睡む酔の中で ガラス越しに夜を見る 寂しさを濾過して 残るは君の香りだけ 見上げた都会の空 淀んだ息を一つ吐いて あの頃と何が違う? 変わったのは僕だけ Ha- 自分をすり減らさないように Ha- 弱さを笑顔に隠して 楽しげな人を羨んで ああ 馬鹿みたい 僕らは何故明日へ向かう? 時の流れに怯えながら 思い出ばかりに囚われて 前に進めないよ 歩き疲れた足を引きずって 彷徨う別れ道 誰かの糧になれるなら 僕は独りでいいよ 枯れゆく葉の紅 伸ばした手は空を切る 微笑む君の眸 その温かさに縋って 愛を知る前の僕は 強く気高く自由だった あの頃思い描いた 理想とは程遠くて Ha- 新しい世界に触れるたび Ha- 怖くて立ち止まりたくなる 自分の意志を貫く 勇気が欲しい ああ 君を失う“いつか“を恐れて 閉ざす心の鍵 優しく揺れる星月夜 静かに見下ろして 君の過去も弱さも真実も 今は知らないけど それでも隣で笑いたい ズルい僕を許して 桜が散って 海に陽が落ちて 金木犀が香って 凍る世界に雪が舞う 何度季節が移ろっても忘れないから 僕らは何故明日へ向かう? 時の流れに怯えながら 大事なものばかりが増えて 前に進めないよ 先の見えぬ朧な毎日に 色を添えてくれる 君の隣で笑いたい 今はそれでいいかなあ